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NHPH胃炎について

NHPH胃炎とは

「NHPH胃炎」とは、ピロリ菌以外の「ヘリコバクター属菌(Helicobacter)」が原因で起こる胃の炎症のことです。NHPHは「Non-Helicobacter pylori Helicobacter」の略で、直訳すると「ピロリ菌以外のヘリコバクター菌」という意味になります。

これまで、胃炎の原因菌といえば「ピロリ菌(Helicobacter pylori)」がよく知られていましたが、近年の研究で、他の種類のヘリコバクター菌も人の胃に感染し、胃炎を引き起こすことがわかってきました。特に「Helicobacter suis(H. suis)」や「Helicobacter heilmannii(H. heilmannii)」といった菌が知られています。

NHPH胃炎は、これまであまり知られていませんでしたが、最近では健診や内視鏡検査で見つかることが増えており、注目されている病気のひとつです。

NHPH胃炎の症状について

NHPH胃炎の症状は、一般的な胃炎とよく似ています。以下のような症状が見られることがあります:

  • 胃の不快感や痛み

  • 食後のもたれ

  • 吐き気

  • 食欲不振

  • 胸やけ

ただし、症状が軽い場合や、まったく自覚症状がないこともあります。そのため、健康診断や内視鏡検査で偶然見つかるケースも少なくありません。

NHPH胃炎の原因について

NHPH胃炎の原因となる菌は、動物から人に感染することがあると考えられています。たとえば:

  • H. suis(エイチ・スイス):主にブタから感染するとされます。

  • H. heilmannii(エイチ・ハイルマンニイ):イヌやネコなどのペットから感染することがあると報告されています。

ただし、感染経路はまだ完全には解明されておらず、今後の研究が待たれています。

 

NHPH胃炎の病気の種類について

NHPH胃炎は、感染する菌の種類によっていくつかのタイプに分けられます。代表的なものは以下の通りです:

  • H. suis胃炎:H. suisは、胃の粘膜に感染し、慢性的な炎症を引き起こします。まれに「MALTリンパ腫(胃のリンパ組織にできるがんの一種)」の原因になることもあります。

  • H. heilmannii胃炎:比較的まれな菌ですが、胃潰瘍や慢性胃炎の原因になることがあります。

これらの菌は、ピロリ菌と同じように胃の粘膜に住みつき、炎症を起こしますが、検査で見つけにくいという特徴があります。

NHPH胃炎の治療法

NHPH胃炎の治療は、基本的にピロリ菌の除菌治療と似ています。以下のような方法がとられます:

  1. 抗菌薬(こうきんやく)による除菌治療 ピロリ菌と同様に、複数の抗菌薬を組み合わせて菌を除去します。ただし、NHPHは種類によって薬の効き方が異なるため、治療効果の確認が重要です。

  2. 胃酸を抑える薬の併用 胃の粘膜を保護し、治療を助けるために、胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬など)を併用することがあります。

  3. 定期的な内視鏡検査 症状が改善しても、再発や他の病気の早期発見のために、定期的な内視鏡検査がすすめられます。

なお、NHPHは診断が難しいことが多く、確定診断には胃の組織を採取して顕微鏡で調べる「組織検査」が必要になることがあります。

おわりに

NHPH胃炎は、まだ一般的にはあまり知られていない病気ですが、近年の研究でその存在が明らかになりつつあります。症状が軽いことも多いため、気づかないうちに進行していることもあります。

胃の不調が続く方や、健診で異常を指摘された方は、早めに消化器内科を受診し、必要に応じて内視鏡検査を受けることをおすすめします。私たちのクリニックでも、NHPH胃炎を含むさまざまな胃の病気に対応していますので、どうぞお気軽にご相談ください。

NHPH胃炎の診断と当院の取り組み

NHPH胃炎は、ピロリ菌の検査で「陰性」と判定された場合でも、胃に明らかな炎症が見られるケースで疑われることがあります。つまり、「ピロリ菌がいない=胃炎の原因がない」とは限らないのです。

このような背景から、内視鏡診断(胃カメラ)が非常に重要になります。内視鏡で胃の粘膜の状態を丁寧に観察し、必要に応じて組織を採取して詳しく調べることで、NHPH感染の可能性を見極めることができます。

当院でも、ピロリ菌が陰性であるにもかかわらず、内視鏡で明らかな胃炎が認められる患者様に対しては、NHPH感染の可能性を常に念頭に置いて診療を行っています。

また、NHPH感染が疑われる場合には、がんのリスクを考慮し、除菌療法を提案することがあります。NHPHに対する治療法はまだ確立されていませんが、実際にはピロリ菌に対する一次除菌療法(抗菌薬と胃酸を抑える薬の併用)が有効であるケースが多く、当院でもこの方法を用いて治療を行うことがあります。

患者様には、治療の目的や期待される効果、副作用の可能性などを丁寧にご説明し、ご納得いただいたうえで治療を進めております。

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